近頃韓国で人気を集めている恋愛リアリティ系番組は異性間の恋愛にしかスポットを当てていなかった。しかし最近話題の番組「恋するアプリ」はクィア・コーディングを含め、両性愛者とみえるキャストを登場させ多くのセクマイ視聴者を惹きつけた。誰かは放送会社が視聴率を上げるためにバイセクシャルの人物に対して同性に向ける好意だけを浮き彫りにし“クィアベイティング”を助長したと指摘する反面、一方はその人物の決定を“クィアベイティング”とみなすのは両性愛に対する誤解を深めるだけだと返した。
翻訳:가리
翻訳の検討と修正:-
原文:권태
原文の検討と修正:Miguel
【本記事はネタバレを含みます。】
しばらくの間、韓国のセクマイコミュニティは恋愛バラエティ「恋するアプリ:チャ!チャ!チャ!」に注目していました。この番組は自分を好きな人が近くに来ると相手のケイタイにアラームが鳴る漫画原作のアプリ“好きアラーム”に基づいて、参加者たちがお互いに好意を抱いていく様子を描いています。主にヘテロセクシャリティを扱ってきた従来の恋愛リアリティ番組とは違って、この番組ではパートナーとして同性が選べられるなど差別化された点を見せました。また、韓国の代表的なセクマイ芸人ホン・ソクチョン氏が出演するなど既存の恋愛番組では考えられていなかった可能性が再現されていました。最近韓国では全ての参加者が男性である恋愛番組「男の恋愛」が放送されるなど、完全に同性同士のリアルロマンスを語る番組も作られたりしています。
今回一番セクマイコミュニティの耳目を引いたのは「白薔薇とジャスミン」の女性カップルでしょう。中では男性と女性どっちにも好意を抱いていたジャスミンさんと、そんな彼女の口説きに少しずつ心を開いていく白薔薇さんの姿が描かれました。ジャスミンさんに対して「でも白薔薇は女じゃん」と意味深に返した参加者がいたり、ジャスミンさんの好意に戸惑っていた白薔薇さんの様子が映ったりもしました。それでも、意味深に反応していた参加者の方がジャスミンさんの選択に笑顔をみせたり、ジャスミンさんの誘いを受け取った白薔薇さんが彼女と一緒にデートにいく姿が電波に乗られたりもしました。ホン・ソクチョン氏がその姿を見て涙を流すシーンも話題になりましたね。バラエティ番組で同性同士のデートを嫌悪じみた目線ではなく笑いと微笑みを与える形で提供したことに、この番組は高く評価されるようになりました。
しかし、この二人は結局結ばれませんでした。 最終選択でジャスミンさんと白薔薇さんは同じ男性の方を選んでいました。この時点で一方では番組が“クィアベイティング”をしたのではないかという怒り声があがり、その延長線でバイセクシャルに対する偏見の目をさらす人もいました。
クィアベイティングとは、メディア上のクィア・コーディングを利用して耳目を集めながらも実はそれらが本当ではないことを示す概念です。この番組が従来の恋愛リアリティとの違いを掲げ、同性への選択が可能だという点をアピールしたところや、ジャスミンさんと白薔薇さんの成り行きを熱く語っていたところからこの番組がクィアベイティングをやらかしたのではないかと炎上されました。ジャスミンさんが最初から男性と女性どっちにも好意を寄せた事実には関係なく、一部の視聴者たちはジャスミンさんが最終的に男の人を選んだことに首を捻ました。
一方、他の視聴者たちはジャスミンさんの最終選択を“クィアベイティング”とみなすのはバイセクシャルに対する無理解な態度だと指摘しました。「ジャスミンさんは最初からどっちにも好意を抱いていて、その好意の行方が男性の方に向かっただけ」だからです。むしろジャスミンさんが白薔薇さんを選ばないと“本物の恋”“本当の多様性”ではないという考え方のほうがジャスミンさんのことを平面的に見ているんじゃないかということです。
ジャスミンさんの選択は問題にならないがスタップ側がジャスミンさんと白薔薇さんの関係を意図的に浮き彫りにしたことから“クィアベイティング”だと判断する不満の声もあります。これに対して“それは恋愛リアリティ番組の典型的な構成に過ぎないから仕方がない”とも反応しました。
「恋するアプリ」は従来の恋愛リアリティの流れから離れ多くの性的少数者たちの関心を集めましたが、それを巡って議論も散々行われました。皆さんは「恋するアプリ」についてどう思われますか。気になる方は“Wavve”やYoutubeなどで「恋するアプリ」をぜひ一度ご覧ください。
翻訳:가리
翻訳の検討と修正:-
原文:권태
原文の検討と修正:Miguel
参考資料 (韓国語)
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